皆さんは給与明細の「厚生年金保険料」がどの様な計算式で成り立っているか、考えた事ありますか?
ここでは具体的は計算式を使い説明致します。
✅ 厚生年金の計算式
① 毎月の厚生年金保険料の計算
📌 計算式
厚生年金保険料=標準報酬月額×保険料率÷2
※ 会社員の場合、保険料の半分は会社が負担(労使折半)
🔹 具体例(2024年時点)
- 標準報酬月額:30万円
- 保険料率:18.3%(全国一律)
300,000円 × 18.3% ÷ 2 = 27,450円
→ 毎月の厚生年金保険料は27,450円(会社も同額負担)
② ボーナス(賞与)にかかる厚生年金の計算
ボーナス(賞与)にも厚生年金がかかります。
📌 計算式
厚生年金保険料=標準賞与額×保険料率÷2
※ 年間573万円が上限(2024年時点)
🔹 具体例(賞与50万円の場合)
500,000円× 18.3% ÷ 2 = 45,750円
→ 賞与から45,750円が厚生年金として控除(会社も同額負担)
✅ 将来の年金額(老齢厚生年金)の計算
将来もらえる年金額は、厚生年金に加入していた期間の平均年収に応じて決まります。
📌 計算式
老齢厚生年金=∑(平均標準報酬額×5.481/1000×加入年数)
🔹 ざっくり試算(例)
ケース1:年収500万円(40年間加入)
- 平均標準報酬額:500万円 ÷ 12 = 約41.7万円
- 計算式
41.7万円×5.481÷1000×40年=約91万円
→ 年間91万円(月7.6万円)の厚生年金がもらえる
(※ これに国民年金の満額 約80万円 を加えると、合計 約171万円/年(月14.2万円))
✅ まとめ(厚生年金保険料)
- 毎月の保険料は「標準報酬月額 × 18.3% ÷ 2(労使折半)」で計算
- ボーナスにも厚生年金がかかる(上限あり)
- 将来もらえる厚生年金額は、加入期間と平均収入で決まる
- 目安として、年収500万円なら月約14万円の年金(国民年金+厚生年金)が受給可能
✅ 標準報酬月額の計算方法
標準報酬月額は、基本給+各種手当(残業手当・通勤手当など)の平均額を基に決まります。
📌 計算式 標準報酬月額=4月・5月・6月の給与の合計
🚨 注意点
- 賞与(ボーナス)は含まれない(賞与には別途「標準賞与額」が適用)
- 1年に1回(9月)に改定される(定時決定)
- 途中で給与が大幅に変わると変更されることもある(随時改定)
✅ 標準報酬月額の等級表(2024年)
等級 | 報酬(給与)月額 | 標準報酬月額 |
---|---|---|
1級 | ~63,000円 | 58,000円 |
5級 | 93,000円~101,000円 | 98,000円 |
10級 | 155,000円~167,000円 | 161,000円 |
20級 | 275,000円~299,000円 | 287,000円 |
30級 | 535,000円~575,000円 | 555,000円 |
32級(最高) | 635,000円~ | 650,000円 |
※ 報酬月額 = 基本給 + 各種手当(通勤手当・残業手当など)
✅ 具体例(標準報酬月額の計算)
🔹 例:Aさんの4月~6月の給与
- 4月:280,000円
- 5月:290,000円
- 6月:300,000円
(280,000+290,000+300,000)÷3=290,000円
✅ 標準報酬月額 → 287,000円(20級)
✅ まとめ
✅ 標準報酬月額は「基本給+手当」の3か月平均で決まる
✅ 毎年9月に改定(定時決定)、給与が大幅に変わると途中で変更(随時改定)
✅ 厚生年金や健康保険の保険料は、この標準報酬月額を基に計算される
※4月、5月、6月の3ヶ月間の平均月額報酬を減らすと9月以降の厚生年金保険料が安くなります。